残価設定型クレジットとは、自動車などの高額な買い物に利用される一種のクレジット(ローン)形式です。
このクレジット形式では、車両の購入価格の一部を将来の見積もり残存価格(残価)として設定し、その残価を最終的な支払いとして返済することで月々の支払い額を低く抑えられます。
ポルシェの購入方法としてこの残価設定型クレジットを利用しており、ディーラーでは残価設定型クレジットをすすめてワンランク上の車の購入をすすめることもあります。
残価設定型クレジットを組むと数年後に車を買い替える可能性が高いため、ディーラーにとっても残価設定型クレジットのメリットは大きいのです。
残価設定型クレジットの注意点
多額の頭金を用意することなく、毎月の支払額を減らせる残価設定型クレジットを利用するために重要なことは購入する車の残価率です。
残価率はあらかじめメーカーが設定しているもので、これは中古車になったときの相場によって変わります。
3~5年後の中古車の相場はプロでも設定が困難なので、そのため3か月ごとに残価率を改定するメーカーもあります。
残価設定型クレジットのプロセス
購入時
車両の購入価格と将来の残存価格を契約時に合意します。
通常、残存価格は車両の予想される市場価値や使用状況に基づいて算出され、購入時には頭金(デポジット)の支払いが必要な場合があります。
返済期間
残価設定型クレジットでは、通常のクレジットと同様に定められた期間で借り入れを返済します。
この期間中、月々の支払額は残価を除いた元金と利息に基づいて計算されます。
最終回の支払い
返済期間の終了時に、残価を一括で支払います。この残価は契約時に合意された金額であり、実際の車両の市場価値とは異なる場合があるので注意です。この時点で、借り手にはいくつかの選択肢があります。
車両の返却
残価を支払い、車を返却可能です。ただし、車の状態によっては追加の料金が発生する場合があります。
車の買取り
残価を支払い、車を自己所有することも選択可能です。
この場合、残価を支払うことで車両の所有権が移るため、その後の処分や売却が自由にできます。
再融資または延長
残価を支払わずに返済期間を延長するか、もしくは残価を再融資することも選択可能です。
返却と新しい車の購入
返却して新しい車を購入する場合、既存の車を返却し、新しい車の購入価格と残価を含む新しい残価設定型クレジットを組むことができます。