日本での売り上げを伸ばすポルシェ

好調なセールス

ポルシェは2022年上半期の世界新車販売の結果を発表しました。総販売台数は14万5860台。前年同期比は5%減と、2年ぶりに前年実績を下回りました。
しかし、日本では上半期、過去最高の4068台を登録し、前年同期比で3.7%増と、3年連続で増加しています。
日本国内で、成長目覚ましいポルシェ。どうしてこれほどの勢いでセールスを伸ばしているのでしょうか。

日本におけるポルシェの躍進はコンパクトSUVによるもの

ポルシェといえばフラグシップモデルである「911」シリーズですが、日本市場では常に25%を占めており、存在感の大きさは流石です。しかし、これまでの日本市場でのポルシェの成長という点でみると、伸び幅としては大きくありません。
どうして、これほど伸びたのかというとコンパクトSUVによるものです。
プレミアムSUVの先駆者ともいえる「カイエン」が2002年に登場し、21世紀におけるポルシェ躍進の礎を築き上げました。日本でも安定した数字を見せています。
カイエンの成功を受けて登場したのが、ラグジュアリー・セダンの「パナメーラ」。着実に売り上げを伸ばしカイエンと同程度の売り上げを占めるようになりました。
これらのモデルは着実に数字を積み上げていったもので、ポルシェの急成長は語れません。
ポルシェ躍進の立役者は2014年に販売されたコンパクトSUV「マカン」です。
日本では2015年に販売されましたが、全長4695mm×全幅1925mm×全高1624mmと日本の道路でも扱いやすいサイズと、導入当時の価格が616万円からという、ポルシェのブランドとしては破格といえる価格が大人気となりました。
そのため、マカンは日本市場におけるポルシェ販売の主軸を担うようになったのです。

世界ではどの車が人気?

世界市場で見てみると2022年上半期において、カイエンが4万1947台を売り上げています。次にマカンの3万8039台です。
ただし、カイエンの売り上げは前年同期比では4.8%減と2年ぶりに減少し、マカンも12.8%減となっています。
前年同期比を上回ったのは911シリーズが4.8%増、パナメーラが14.5%増と前年超えを維持した結果です。
国別でみると中国が4万6081台。次いでアメリカの3万2529台ですが、どちらも前年同期比は減少しています。
しかし、ヨーロッパでは4万3087台を販売し、前年同期比は7%増と好調で、ドイツ本国でも1万3785台を売上ました。